心理カウンセリングとは ーよりくんばーじょんー 改訂版


                                                               2004・6       無断転載禁止

1、心理カウンセリングとはそもそも何?

カウンセリングを日本語に直すと「相談」という意味になります。心理カウンセリングをそのまま訳すならば、心理相談ということになります。心理相談?というと、なんだかとても範囲が広そうですね。

人によって心理カウンセリングの定義は様々だと思います。私個人としては、心理カウンセリングとは相談者(以下クライエント)がどんな人であれ、直面している様々な問題、悩み事に対して、何らかの専門的な手助けをする行為だと考えています。その行為が対面して話しを聞くことであれ、助言やアドバイスをすることであれ、情報提供であれ、何らかの心理トレーニングをすることであれ、心理テストを行うことであれ、心理療法であれ、クライエントがより良く生きるために専門的な手助けをすること、それが心理カウンセリングであると考えています。(上で書いた私の定義が、全てのカウンセラー共通の認識ではありません。あくまでも私の捉え方です。カウンセラーによって,定義は人それぞれだろうと思います)


2、日本での心理カウンセリングの現状


カウンセラー、あるいはカウンセリングと言う言葉が一般的に使われるようになってきたのは、ここ2−3年のように思います。ほんの10年前には「カウンセリング?何それ?」という感じだったのですから・・・・・

それでもまだまだ、アメリカをはじめ、多くの先進国の中で日本はカウンセリング後進国です。何か心の問題を語ること自体がタブ―視されていたりと言う事もまだまだあるように思います。その結果、1人で悩みや問題を抱えてしまい、不適応感を持ったり心の病を悪化させてしまったりしているケースもあります。

経済的な要因も見逃せません。アメリカなどでは保険会社がバックアップしていたり、あるいはEAPと言って会社の従業員が契約しているカウンセリングを受けられるようなバックアップシステムが整っているのですが、日本ではこれらを導入しているケースはまれです。自費でカウンセリングを受ける事は、相談者にとって経済的な負担は大きな問題です。

以前、私のところに初めてカウンセリングを受けに来た方が、「自分もとうとうこんな所に来なくてはならないようになってしまった・・」と泣き崩れた事がありました。まだまだ、何か特別な事、すごい事と言う気持ちは強いように思います。

カウンセリングを受ける事が何か特別な事ではなく、もっと誰もが気軽にカウンセリングを受けられるような時代に早くなって欲しいと思っています。





相談を受けるカウンセラ―側も、まだまだ質、量共に充実しているとは言えません。臨床心理士を始め、様々な資格を持ったカウンセラーが誕生してきてはいるのですが、そんなに一朝一夕には充実させるのは困難な事です。

カウンセラーも働く場所が中々見つからなかったりします。大学院を修了しても常勤の安定した職場は少なく、非常勤や嘱託、あるいは何ヶ所か非常勤の職場を掛け持ちして生活している方も多いのが現実です。これでも以前よりはまだマシにはなってきましたが・・・

現在、日本ではカウンセリングを行なうこと、カウンセラーを名乗ることについての法的規制は全く有りません。極端な話、誰もが「今日から私はカウンセラーだ」と名乗れることになります。そのために、殆ど専門的な勉強も訓練も受けたことのない人が、カウンセラーと名乗っていたり、開業していたりすることもあるわけです。

そのために、実際に???という「自称」カウンセラーもいたりします。・カウンセリングの看板を見て相談に行ったが、実は新興宗教で、入信を強く勧められた。10万円で変なものを買わされた

・ろくに話を聞いてもらえず、カウンセラーと称する人が、関係ない自分の自慢話を延々しゃべり続けた

・あなたがカウンセリングを受けたら?と言いたくなるような、病的でとても変な人だった(笑)

・テレビで駅伝中継を見ながら面接された

・症状について尋ねたが、専門知識が全くない様子でワケ分からない話をされた

・法外な料金(10回で20〜30万)を請求された。しかも機械でテープを流し、毎回それをただ聞いているだけであった
↑こんなひどいケースはそれほど多くはありませんが、私が実際に聞いた話です。初めてこのような場所を訪れて、「カウンセリングってこういうものなのか」と誤解を与えてしまったり、失望させてしまうケースもあります。現在は多少なりとも資格が整備されてきています。ただし、この資格も完全に信用できるものではありません。

例えば弁護士という資格を持っている人間もピンからキリまでいるのと同じように、カウンセラーもピンからキリまで色々います。資格自体も,ピンからキリまで色々あります。結局は、実際にどんな人かあってみないと分からないということになってしまうのですよね。↓ここからはマトモなカウンセリング、カウンセラーに話を限定しましょう。
カウンセリングは色々な場所で行なわれています。カウンセラーと呼ばれている人達は、公的な相談所、病院、司法関係の機関、民間の企業、民間のカウンセリングセンターなど色々な所にいます。当然ながら,そこで行なわれる対象、目的などによってもカウンセリングの内容は変わります。そのカウンセラーの個性によっても、100人カウンセラーがいれば100通りのやり方があるので(得意な技法とか、専門分野、療法があるので)、結局は、又もやそのカウンセラー次第ということになってしまいます。なんだかな〜



3,カウンセリング(心理相談)とサイコセラピー(心理療法)の違い?

この二つの分け方も人によってそれぞれだろうと思いますが、いずれにしても、厳密には区別されていませんし、ごちゃ混ぜに使われているのが現状です。正確には病院などで治療を第一の目的とした心理の専門家は、「カウンセラー」ではなくて「セラピスト」、セラピストの行なう仕事は心理療法(サイコセラピー)なのですが、日本ではごちゃ混ぜに使われていて、それぞれの定義も曖昧になっています。

私の印象ではカウンセリングは「広く浅く」、サイコセラピーは「狭く深く」クライエントに関わっていくという違いがあるのではないかと思います。ただ,この定義もイマイチかな〜?とは思うのですが・・・・・

あとは、ある程度健康な人を相手にするか、精神疾患の人を相手にするかという違いで分けることも可能かもしれません。でも,これも一概には言えないような・・・・どこからが病気でどこからが健康かという定義も、結構難しいですしね。

心理療法を使うかどうか?という辺りも、微妙ですね。

学問的なベースがカウンセリング心理学か、臨床心理学かという辺りで線引きは出来るかな?でも,共通している所も多いんですよね・・

あまりはっきりした結論は出ないけれど、カウンセリングは「相談的」、サイコセラピーは「治療的」辺りにとどめておくのが無難かな?人生相談的な事も含めて扱うのが「カウンセリング」精神疾患の治療を主とするのが「サイコセラピー」とか・・・?

実際は、カウンセリングという言葉のほうが、サイコセラピーよりも浸透しているようにも思います。病院でサイコセラピーを受けている場合でも、病院でカウンセリングを受けていると言いますものね。言葉の認知度の違いも、問題を複雑にしていそうですね。

カウンセラーとセラピストの違いということも、実際には厳密には区別されていません。自分が「カウンセラーだ」と名乗るか「セラピストだ」と名乗るかどうかによるとは思います。病院臨床にいる人は、「カウンセラー」ではなくて「セラピスト」と名乗る人が多いようにも思います。臨床系とか分析系の人はセラピストと名乗る人が多くて、ロジャーズ系、何でも屋系の人はカウンセラーと名乗る人が多いようにも思いますケド・・・それこそマチマチですね。

いずれにしても、厳密には区別されていませんし、ごちゃ混ぜに使われているのが現状です。まあ、専門家でなければ、どうでもよいことなのかもしれません。失礼しました。


4、カウンセラーの仕事場

カウンセラーの働く場所によって、必要とされる役割、そのカウンセラーに要求されるものが異なります。ですから、特定の場所で要求されたり、通用するスキルそのもので別の場所で働くと、当然にそこで必要とされていないような場合には摩擦が生じます。

カウンセラーの働いている場所を思いつくままに挙げて見ましょう

・病院関係(精神科・心療内科など)
・公立相談機関(教育センター、児童相談所、婦人相談所、職業安定所、青少年相談センターなど)
・民間相談機関(開業のカウンセリングセンターなど)
・学校(小・中・高・大・専門学校・各種学校の相談室など)
・司法分野(家裁調査官・少年鑑別所・刑務所など)
・福祉分野(養護施設、老人入居施設、など)
・民間企業(企業内相談室など)

他にも色々あると思いますが、とりあえずこんなところでしょうか?

当然に、対象となる相談者も異なりますし、要求される知識、スキル、役割、ニーズ、など、場合によっては全く異なると言うこともありえるわけです。このような事情から、同じカウンセラーと呼ばれている人であっても、色々いるのはやむを得ないと言えるかも知れません


5、どんな人がカウンセリングを受けるの?カウンセリングで何が出来るのか?

そもそも、どうして人はカウンセリングを受けるのでしょうか?その理由はこれまた人それぞれですが、私のところに訪れたクライエントの方に聞いたところでは、誰かに自分自身の内面について語りたい、あるいは誰かに聞いてほしい。直面している問題について、何らかの専門的アドバイスが欲しい、解決のヒントが欲しい、専門的な情報が欲しいなどでした。

自分の内面なんか、友達とか親に話せば言いジャンと思うかも知れませんが、あまり話したくないような話、重い話題なんかは、無関係な第三者、できればその道の専門家に話したいと思うようですね。まあ、私もそうですが・・・・

ついでに、どのような効果?があったかということについては、気持ちが楽になった、精神的にゆとりができた、元気が出た、前向きになれたなどの気持ち的なもの。問題が解決した、症状がなくなった、ヒントになるような助言が得られた、気づきが得られた、悟った(笑)などの問題解決に結びついたというものなどがありました。問題解決には直接に結びつかなくても、その問題にどう取り組めばよいのか、どう付き合っていけばよいのかという事を得ることが出来たと言うのもありました。

カウンセリングは、確かに問題解決に結びつくようなヒントを得られたり、心のモヤモヤが晴れたり、問題が解決したりというような効能?が一般的には得られると思います。ですが、あまりにもカウンセリングに期待をされても困ります。カウンセリングを受けるだけで、人生が180度変わると期待していらっしゃるクライエントさんもいますが、カウンセリングは魔法ではないのですから・・・カウンセリング依存症、カウンセラー依存症も困ります。

あくまでカウンセリングは「カンフル剤」のようなものです。きちんと主食を食べないと、カンフル剤だけでは生き延びられませんので(言いたい意味わかります?)それから、いつもいつもうまく行くとは限りません。以前よりも悪化してしまった(ように思える)ケースもあります。

あればあったで役に立つ。使い方によっては薬にもなれば毒にもなる。キノコのように、毒キノコ(失敗事例)もあれば、おいしいキノコ(成功事例)もある。言いたいこと分かります??

ちなみに、食べ頃は危機的な状況にあるときですよ。普段はそれほど食べたいとも思わないでしょうけど、危機的な時はおいしいですよ〜 実はこちらも、相手が危機的な状況の時の方が、カウンセリングは進展するのですが。

しかし、わけ分からん説明・・・経験ある方なら何となく分かるとは思うのですけど。。


5、カウンセリングの今後

閉塞的、かつ不安の大きな社会の要請なのか、カウンセリングの認知度、需要、関心などは一昔前に比べれば格段に上がってきています。カウンセラー希望者も軒並み増えていますし、カウンセリング関連の本や記事もたくさん増えてきています。私がカウンセラーになったのは平成3年ですが、雲泥の差があります。

カウンセリングは人によるヒューマンサービスです。当然ながら、その質はそれに携わるカウンセラーによって変わります。質の良いカウンセラーをいかに社会に送り出せるか、いかに社会に貢献できるかということが、今後の業界にとっては大切のように思います。社会にとって、クライエントにとって役にたたなければ、それはただの自己満足の自称カウンセラーでしかないと思います。

カウンセリングの効果ということについては、今まであまり語られてこなかったのが現状です。測定すること自体が難しいですし、そのカウンセリングに何を、どの程度のことを求めているか、期待しているのかということでも変わってくるでしょうから・・・クライエントの満足度も、それによって変わってくるでしょうから。

魔法使いではないので、クライエントのニーズに全て応えるのは不可能ですが、カウンセリングの効果、効能ということについて我々はもう少し厳しい姿勢で取り組む必要があるのではないかと思います。役に立ってナンボの世界でしょうから・・・・・

さてさて、10年後、20年後はどのようになっているのでしょうか?もし、カウンセリングなどということがまったく注目されてなく、仕事もなくて路頭に迷ったら、私はスナフキンにでもなります。元々、「世捨て人」的な要素は持っているので・・・自由でどこか斜に構えたようなスナフキンにはあこがれます

そのときは、元心理カウンセラー スナフキンのHPでお会いしましょう


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